Classici giapponesi con furigana
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ばいしのつえ
梅颸の杖
吉川 英治
Leggi 梅颸の杖 (ばいしのつえ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.966 caratteri · 32 schermate
『無いこともないがの、つまらぬことじゃ』
『仰言ゃって下さいませ。私は何だか、大塩配下の役人が注意してくれたことばがあるので、気味が悪うございます』
と、松蔭は言った。
『おおかた、ごまの蠅とやら、掏摸とやらいう、盗児じゃろう。それが、礼に来おったとみえる。可愛ゆいもののう』
と、梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)は、そこにいる者たちを等しく子供と見るように、温和な皺にひきつけてこう話した。
途中、便船が飾磨の港へ寄った時、いちど町へ降りて、買い物をととのえ、夕刻の出る間際に船へ帰って来ると、その混雑の中で、誰やらふところの路銀へ手をかけたものがある。
梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)は、気がついて、その手くびを握り取り、男の顔をよく見たが、いかにも憐みを乞う様子なので、便船の賃銀がないのであろうと察した。で、南鐐を一枚恵んでやったというのである。
話はそれだけの事だった。ただ、梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)の解釈では、二朱の南鐐では船賃には余りすぎたので、その礼の意味と改心のしるしに、鮮魚を持って来たのであろうというのと、また小竹や松蔭の解釈としては、それは飛んでもないことで、飾磨から船中の間では目的を果し得なかったが、そのうちには、屹度最初の意志を貫徹して