Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふくろうのめ

梟の眼

大倉 燁子

Leggi 梟の眼 (ふくろうのめ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.354 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

春樹は慌てて半席を譲った。

「お一人でこんな処にいらしたの? いつホールを脱け出しておしまいになったか、私、ちっとも知らなかった。ご一緒に飲むお約束をなすったくせに、おいてきぼりするなんて、酷い方ねえ」

「くたびれちゃったから――、少し休んでまた行く積りだった。酒でも飲んで、元気をつけてね、――さア、どう? もう一度僕と踊らない?」

女は吃驚したように、

「まあ、あなた、何もご存じないの? もう舞踏会はお終いになっちゃったんですよ。悪い奴がいて、銀髪の奥さんのネックレースを掏ッたんだそうですわ。ホールの中は、いま、その事で大騒ぎしているの」

春樹はプッと吹き出して、

「誰がやッたんだろうな。またどこかのポケットにでも入れてありゃしないか知ら?」

「オホホホ、お妹さん、もう話しちゃッたのね、いやだわ」と女は笑いながら、大きな眼で睨んだ。彼はちょっと真面目になって、

「だが――。あの話は少し変だね。僕は妹から聞いて、直ぐ三越に電話で問い合せてみたが、ダイヤは一つも紛失して居りませんッて云ってたぜ」

「それや不思議はないわよ。三越のダイヤなんかに手をつけやしませんもの。