Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうゆう

梟雄

坂口 安吾

Leggi 梟雄 (きょうゆう) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.160 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

長井は弟が名僧の器と人に仰がれるようになったので、自分の装飾によい都合だと考えた。そこで折にふれて妙覚寺へ寄進などもするようになり、今後とも南陽房をよろしくと礼をつくすから、寺でも南陽房を大切にする。近代無双の名僧の器であると折紙をつけて強調するようなことも当り前になってしまった。兄貴分の法蓮房は影が薄くなった。

かねて法蓮房に鼻面とって引き廻されていた坊主どもは、これをよい気味だと思った。

「人品の格がちがう。南陽房にはおのずからの高風がある。それに比べて法蓮房は下司でこざかしい。一は生来の高徳であるが、一は末世の才子にすぎない」

こういう評価がおのずから定まった。学識をたたかわす機会は多数の意志で自然に避けられるようになり、法蓮房の腕の見せ場はなくなった。

これに反して儀式の行事は南陽房が上の位置で厳粛に執り行う。その動作には品格と落付きがあって、名僧の名にはじなかった。

法蓮房は美男子であり、犀利白皙、カミソリのようであるが、儀式の席では一ツ品格が落ちる。下司でこざかしいと云えば、それが当てはまらないこともない。法蓮房は無念だと思った。そして、それを根にもつと、強いて下司でこざかしい方へ自分を押しやるような気分になった。