Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もりのいしまつ

森の石松

山中 貞雄

Leggi 森の石松 (もりのいしまつ) di 山中 貞雄 (やまなかさだお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.949 caratteri · 49 schermate

Aozora Bunko

「とっつあん、留守か」

「え、おはいんなさいよ」

「大変だったッてねお静坊、吃驚しただろう」

「ええ、とても怖かったわ」

石松、奥より出て来る。

「斬られたなァ武井のお貸元の身内だと言うじゃねえか」

「そうだって。三人がかりで殺ったンだってね」

「いや、三人居るのは居たが、斬り合ってたのは一人さ。其奴がおそろしく腕ッ節の強え奴だった。きっと名のある渡世人に違えねえと俺ァ思うんだ」

「誰だろう?」

「先刻も武井の児分衆が来て訊ねていなすったが……誰だか判んねえ」

「斬る前に名乗らなかったのかな」

「俺の見た時はもう斬合がはじまっていたんだ。名乗っただろうが誰も聞いちゃ居なかった」

その時お静坊が、

「兄さん、本当は妾聞いたんだけれど怖いから誰にも言わなかったのよ」

「何だって? お前聞いたのか?」

七五郎、

「その男、何と言った?」

「あの……駿河の国の清水港の何とか言ったわ」

「清水港……? じゃ次郎長だ」

「そうだ、次郎長だ」

「静坊、次郎長と言ったろう」

「そうだったかしら」

「きっとそうだ、次郎長に違えねえ」

石松が感心して、

「そうか、あれが今売り出しの清水の次郎長か。