Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もりのいしまつ

森の石松

山中 貞雄

Leggi 森の石松 (もりのいしまつ) di 山中 貞雄 (やまなかさだお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.949 caratteri · 49 schermate

Aozora Bunko

安五郎が吉兵衛に、

「吉兵衛、お前の知ってる人か」

「へえ、この近在の村の若い者で御座いますよ」

「そうか、七五郎さんとやら、一体俺に何の話か知らねえが、丁度今将棋の面白え処だ、もうじき済むから済んでから話を聴こう。その部屋でお茶でも飲んで待って居てくれ」

七五郎、

「へッ、待たせて戴きます」

と石松と二人、次の部屋へ退る。

安五郎は、

「さてと……俺の番だったな」

「へッ、御貸元の番で。儂が今、此処へこう角を打ちました」

「そうか、成る程……いい手だ。弱ったね、して吉兵衛、手は何だ?」

「手は金銀に桂二枚」

「金銀に桂二枚と……ウー」

「へえ、親分」

また児分が襖の処へ来る。

「なんだ」

「清水港の長五郎って人が来て、親分にお目に掛りてえと言って下に居りますが……」

「清水の長五郎?」

「へえ」

隣室の石松と七五郎が面喰った。

武井の安五郎が、

「吉兵衛、清水港の長五郎と云ゃあ此頃売り出して来た次郎長のことだろう」

「そうでしょう」

「何しに来たんだろう?」

「さ――?」

「まッ、此方へ通せ」

「へッ」

と児分去る。

七五郎と石松、小声で、

「清水の次郎長が一体何しに来たんだろう」