Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Leggi 植物知識 (しょくぶつちしき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.784 caratteri · 86 schermate
なんの必要があってかく飛ばすのか、それは広く遠近の地面へ苗を生えさせんがためなのである。
またそれのみならず、その種子には肉阜(カルンクル)と呼ぶ軟肉が着いていて、これが蟻の食物になるものだから、その地面に転がっている種子を蟻が見つけると、みなそれをわが巣に運び入れ、すなわちその軟肉を食い、その堅い種子をばもはや不用として巣の外へ出し捨てるのである。この出された種子は、その巣の辺で発芽するか、あるいは雨水に流され、あるいは風に飛んで、その落ちつく先で発芽する。かくてそのスミレがそこここに繁殖することになる。このように、この肉阜が着いている種子はクサノオウ、キケマン、タケニグサなどのものもみなそうで、いずれもみな蟻へのごちそうを持っているわけだ。かく植物界のことに気をつけると、なかなかおもしろい事柄が見いだされるのである。
春いちはやく紫の花が咲くスミレにツボスミレ(今日の植物界ではこれをタチツボスミレといっていれど、これは畢竟不用な名でツボスミレが昔からの本名である)というものがある。このツボスミレもはやく歌人の目にとまり、万葉の歌に
山ぶきの咲きたる野辺のつぼすみれ