Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
だから、貴方が当面の問題をどう処理するつもりか、その方寸を聞いておきたいのだ。というふうに新左衛門は云った。
「どうも困ったことだ」と甲斐は溜息をついた、「陸奥守(綱宗)さまが公儀より御逼塞に仰せつけられてから、家中の者が幾派かに分れ、互いにその勢力を凌ごうとしたり、疑心をいだきあったりして、ない火の煙を立てようとしている、これでは御家を危うくするばかりなのだが」
「ない火の煙ですって、原田さん、貴方はまさか本気でそんなことを云うのではないでしょうね」
甲斐は答えなかった。
「私はずっと田舎で籠居しているが、耳もあるし眼もあります、陸奥守さまに逼塞の沙汰が出た理由がなんであるか、また、現在いかなる非謀が進められているか、着座の一人として知らなければならぬことは、およそ知っているつもりです」
「私は頭が悪いものだから、自分でそれとたしかめたこと以外は信じません」
「置毒のこともですか」と新左衛門が云った。
その瞬間、甲斐の表情が動かなくなった。しかしすぐに額へ皺がより、なにか聞き違いでもしたかのように、「ちどく」と云って新左衛門を見た。新左衛門は、「さよう、置毒です」