Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
「――わかりました」
新左衛門は頷き、「どうやら仰しゃることがわかるようです」と云って、少しむっとしたように甲斐を見た。
「私は私なりにお役に立つつもりでいたのですが、貴方には不必要だということですね」
「そんなふうに聞えたとすると、私の云いかたが誤っていたのでしょう」と甲斐はにが笑いをした、「伊東どのが国老に就任されるとすれば、私とは同役になるわけだし、私はごらんのとおり頭の鈍い人間だから、いろいろお力ぞえを願わなくてはならない、ただどうか、いまのようなむずかしい、こみいった話しにまきこまないで下さい」
「もう結構です、よくわかりました」
「怒ったのではないでしょうね」
「ひと言だけ、聞いていただきたいことがあります」と新左衛門が云った、「私の養子は采女と申して、故古内主膳重安の伜です、御承知のように主膳重広(重安の父)どのは感仙殿(故忠宗)さまに殉死されましたが、そのとき、一ノ関さまの奸知に長けたところがお家の将来の禍になるであろう、このことをくれぐれも忘れぬように、と遺言されたそうです」
甲斐は無関心に新左衛門を見た。
「もちろん、これは船岡どのもお聞きになられたでしょう」