Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate

Aozora Bunko

と甲斐は向き直り、「客にゆくのだから酒の相手はだめだ」と断わった。

七十郎は甲斐の眼をみつめて云った。

「正直に答えてくれますか」

甲斐は微笑した、「七十郎にも似あわない、愚問だな」

「なにがです」

「まあいい、答えられることは答えよう」

「答えられないこともあるんですか」

「そう思うね」

「だがそうはいきませんよ、今日こそ私は納得のゆくお答えを聞くまでは、断じて動かないつもりですからね」

甲斐は眉も動かさなかった。

「第一にうかがいますが、貴方が一ノ関の与党になられた、という評を御存じですか」

「知らないね」

「そういう評がもっぱらです、ではそういう評が生れる理由はおわかりになるでしょう」

「どうだかな」

「わからないこともないわけですか」

「次を聞こう」

「私が例をあげます」と七十郎は云った、「貴方は松山ともはなれ、涌谷とも疎隔された、所労と称して船岡にこもり、仙台本城への勤めも怠っていた、それが一ノ関に推されると、たちまち上府して国老となり、かねて問題になっていた金山所属の件を、一ノ関の利分になるよう裁決した、涌谷と寺池(式部宗倫)との地境の諍いも、両後見に対する六カ条の問題でも、貴方がどういう態度に出るかわかっている、ということです」