Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
甲斐は呼ぶまで待てと答え、溜息をついて、七十郎に云った。
「私にはこれだけしか云えない、律にとっては、それは狂気になるのを防ぐ、ただ一つの手段であったし、そのことは決して密通ではない、世間の道徳からいえばどう解釈されるかわからないが、密通でないことは私にはよく理解することができる、ただ、それが私に不快であり、厭悪を感じさせたことは慥かだ」
「そうまわり諄く云うほかに云いようがないんですか」
「云えるのはこれだけだ」
「茂庭さんは具体的なことが知りたいといっていたんですがね」
「私に云うことのできる限りは云った、これ以上に具体的なことは、律だけにしか云えない、律に聞けといってくれ」
七十郎はまた、桜の花を摘み取り、それを噛みながら手酌で飲んだ、「中黒達弥を放逐したのは、御内室の要求だそうですね」
「達弥は律の秘事を見たのだ」
「お相手ではなくですか」
「律の秘事を見て、自分なりに解釈し、それが繰り返されないように、ひそかに看視していたのだ」
「はあ、すると離別した方への義理で達弥を放逐した、というわけですね」
「次の質問を聞こう」
七十郎は唇をへの字なりに曲げて、無遠慮に甲斐を見た、「近く二千石ばかり加増されるということですが、事実ですか」