Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はし
橋
池谷 信三郎
Leggi 橋 (はし) di 池谷 信三郎 (いけたにしんざぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.108 caratteri · 37 schermate
あらゆる悩みなんか、皆んなその中に熔かしこんでしまうようにね。そこへ行くと自分たちは主義の仕事が精力の九割を割いている。後の一割でしか恋愛に力を別たれない。だから、自分たちは一人の恋人なんかを守り続けてはいられない。それに一人の恋人を守るということは、一つの偶像を作ることだ。一つの概念を作ることだ。それは主義の最大の敵だ。だから、……そんなことを言うのよ。私、何んだか、心のありかが解らないような、頼りない気がしてきて、……
――君はそんなに悩み事があるの?
――私は母が違うの。ほんとのお母さんは私が二つの時に死んでしまったの。
――え?
――私は何んとも思っていないのに、今のお継母さんは、私がまだ三つか四つのころ、まだ意識がやっと牛乳の罎から離れたころから、もう、自分を見る眼つきの中に、限りない憎悪の光が宿っているって、そう言っては父を困らしたんですって。お継母さんはこう言うのよ。つまり私を生んだ母親が、生前、自分の夫が愛情を感ずるあらゆる女性に対して懐いていた憎悪の感情が、私の身体の中に、蒼白い潜在意識となって潜んでいて、それがまだあどけない私の瞳の底に、無意識的に、暗の中の黒猫の眼のように光っているんだ、ってそう言うのよ。