Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かっこんとう

橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇 (かっこんとう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.213 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

あの恐ろしい雷が、この夏だけは!

何ともないデス。なるほど、上せあがった時は、心臓は恐怖を忘れて、アレの方へばかりドキツクということを、私は身をもって体験したわけであったが、このお嬢さんが亜米利加へ行っちまったら、また駄目だ! たちまち私の心臓はまた、恐怖専門へ逆戻りした。物心ついてこの方、たった一夏でも、雷から解放された夏なぞというものは、私にはかつて覚えなかったが、この夏だけは私にとっては、まったく、雷を意識の外に逐いやった、極楽のごとき夏だった。その代り、恐ろしく暑っ苦しいこと夥しい夏でもあった。

このステノグラファーは、西班牙人だと思ってたら、なんと、智利生まれだということが、後でわかったが、なあに智利だって西班牙だって、人種に代りはない。同じラテンだから、私にとっては、カルメンさんの情熱だったということになるのであるが、私は誰にでも、逢う人もって、雷のことを聞くのが痼疾だから、もちろんこの女を掴まえても、忘れずに雷のことだけは、根掘り葉掘り聞いた。

「夏のマドリードの雷は、酷きや?」

「オウ! ……時々……」

なんて具合にネ。

「バルセローナは?」