Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かっこんとう

橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇 (かっこんとう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.213 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

が、その途端であった。

「出た、出た! タチバナ! 熱が出た! 三十九度ある」

と世にも情けない声を出した。

「何?」

と思わず私も折り重なって体温計を透かして見たが、不思議なるかな、度盛りは確かに三十九度を示している。急いで当人の額へ手をやってみると、なるほど火のような熱であった。そしてグスはもう腰掛けてもいられぬらしく、長椅子の上にグッタリとノビていたが烈しく眩暈がしてくるという訴えであった。

「ああ苦しい! タチバナ、酷い物を俺に飲ませてくれた! 苦しい! 胸が灼け付くように苦しい!」

と頸に手をやって、カラアもワイシャツもバリバリと掻き破りながら、長椅子の上にのた打っているグスタフを見ていると、私も思わず竦然と身震いがした。万一そんなことがあろうとは思われぬが、もしや私のやった葛根湯の中に、間違って何かの毒でも混入していたのではなかろうかと、私も蒼くなった。グスタフはのた打ち廻って、もう側に私のいることにも気が付かぬらしかった。

「駄目だ! 手が麻痺れてきた。早く医者を呼んでくれ、医者を!」

と胸を大波のように喘がせながら、譫言のように繰り返していた。