Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate

Aozora Bunko

「俊ちゃんは、どう? 母さんが来る方がいい? 来ない方がいい?」

「僕、どっちでもいいや。……恭ちゃんは?」

「う……うむ……」

と恭一は妙に口ごもって、

「僕だって、どっちでもいいさ。」

「次郎ちゃんは?」

と、俊三はずるそうに次郎を見た。

「僕も、どっちでもいいよ。」

次郎は、わざと平気らしく答えて、そっぽを向いた。

「だって、お祖母さんは、今度の母さん、次郎ちゃんを一等かわいがるんだって、言ってたよ。」

「…………」

次郎は、ちょっと顔を赧らめて、横目で恭一を見た。恭一も彼の方をちらと見たが、すぐ視線を俊三の方に向けて、

「そんなことないよ。……そんなこと言うの、悪いよ。」

「どうして?」

「どうしてって、はじめっから、そんなわけへだてなんかする人だって思うの、悪いよ。」

「だって、お祖母さんがそう言ったんだもの。」

「お祖母さんが言ったって、悪いさ。お祖母さんは次郎ちゃんが……」

と言いかけて、恭一は急に口をつぐみ、落ちつかない眼をして次郎を見ていたが、

「ねえ、俊ちゃん――」と調子をかえ、

「僕たちこれから、誰にでも同じように可愛がってもらうようにしようじゃないか。