Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
」
「そりゃあ、素人には一応の説明をしてやらんと、絵の深さというものがわからん。説明してやっても、お前のような低能には、結局わからんがな。」
「また低能か。まあそこいらで負けときましょう。……ところで、どうだい、恭一君、君にはほんとうのところ、あの絵が高い崖に生えている蘭のように思えたのかい。」
「はじめはそんな気がしなかったんです。だけどお祖父さんの話を聞いているうちに、何だか高い崖のように思えて来ました。」
恭一はすこぶる真面目だった。
「そうれ、どうじゃ。」
と、運平老は得意そうに、
「恭一君は素直じゃから、話せばわかるんじゃ。」
「話せばわかるんで、話さなかったらわかりますまい。」
「いいや、素直な心があればわかるんじゃ。恭一君のような素直な心で、少し絵になれてさえ来ると、わしの話など聞かなくても、おのずとわかるようになるものじゃ。そこはお前のようなあまのじゃくとはわけがちがう。」
「今度は、あまのじゃくか。いよいよ僕の敗北らしいな。」
徹太郎はにやにや笑いながら、次郎を見て、
「どうだい、次郎君は。君もお祖父さんの話でわかった方なのかい。」
次郎には返事が出来なかった。