Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
それまで、畳にあぐらをかき、顎鬚をむしって天井ばかりを見ていた権田原先生は、思い出したようにたずねた。
「どうしたんだい、ゆうべは。」
「喧嘩しました。」
次郎は平然として答えた。
「正木のお祖父さんは、まだ何も知らないんだな。」
権田原先生の調子も平然たるものだった。
「はい。知りません。」
「そうか、じゃあ、先生に話してみい。いったい何で隣村の青年なんかと喧嘩をしたんだ。」
次郎の説明したところによると、こないだの夏祭りの晩に、素行のよくない隣村の青年たちが、五名ほど見物にやって来て、村のある女にけしからぬいたずらをした。次郎の友達でその女の弟になるのが、怒って彼らに石をぶっつけると、彼らは、あべこべにその子を捉えてさんざんぶんなぐった。次郎たちもそばに居合わせたが、その時は手が出せなくて残念だった。そのことを、あとで村の青年たちに話し、仇をとって貰おうと思ったが、あんなならず者を相手にしてもつまらん、と言って、誰も相手にしてくれなかった。そこで、次郎が中心になり、子供たちだけで仇討の計画を定め、相手をゆうべ大川の土堤に呼び出すことにした、というのである。