Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate

Aozora Bunko

向こうもこちらを見ていた。そしてこちらが声をかけるまえに、

「まあ!」

というお浜の頓狂な声がきこえた。

木柵をへだてて、次郎とお浜とは向きあった。お浜の顔は、もう半分、木柵の間から、こちらに突き出している。

「まあ、まあ、お宅にあがるまえに、こんなところでお目にかかれるなんて、全く不思議ですわ。……でも、……」

と、お浜はけげんそうに柵の内を見まわしながら、

「どうして、こんなところに、たったお一人でおいでなの?」

「僕、乳母やだと思ったから、ここまで追っかけて来てみたんだよ。」

「そう? そうでしたの? よく見つけて下すったのね。あたし、今朝着きましたけれど、この近所に用があったものですから、ついでに、坊ちゃんの学校をそとから覗かせていただきたいと思って、わざとこの道をとおってみたところですの……。でも、こんなところでお目にかかれるなんて、ちっとも思っていませんでしたわ。」

次郎はうつむいて制服のボタンをいじくっていた。お浜は彼の姿を見あげ見おろしながら、

「あれから、もうそろそろ二年ですわね。でも、なんて大きくおなりでしょう。そうして制服を着ていらっしゃると、よけいお見それしますわ。