Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
朝倉先生は、渡り廊下を通らないで、白楊の並木を仰ぎながら、ぶらりぶらり外をあるいていた。次郎が追いつくと、ちょっと時計を見て、
「まだ少し時間がある。腰をおろそう。」
と、一本の白楊の根もとの草に腰をおろし、次郎を手招きした。次郎が多少はにかみながら、並んで腰をおろすと、先生はすぐ話し出した。
「自分より強いと思っていたものに一度勝つと、そのあと善くなる人もあるが、かえって悪くなる人もある。君は多分よくなる方だと思うが、気をつけるがいい。とにかく自惚れないことだ。いい気になって増長しないことだ。自分は強いと自惚れたら、もうそれは弱くなっている証拠なんだからね。やはり慈悲心さ。慈悲心がある人は、どんなつまらん人間をでも軽蔑はしない。それから――」
と、朝倉先生は微笑しながら、
「君は小刀を握っていたね。あの時はやむを得なかったかも知れんが、これからは、もう兇器だけはよした方がいい。戦争じゃないからな。日本人同士が傷つけあうようになっては大変だ。それにあんなものを使って勝ったところで、ほんとうの勝にはならん。心で勝つのが、ほんとうの勝だ。つまり、相手を恐れさせるんでなくて、慕わせる。