Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
」
次郎は、それにも返事をしなかった。
「ね、そうだろう。ちがう?」
次郎はやはり默りこくっている。
恭一は、ちょっと身を起こして次郎の方をのぞいたが、またすぐ枕に頭をつけ、今度は、寝たまま腕をのばして、次郎の夜具の中を手さぐりしはじめた。
次郎は胸に両手をあててねていた。彼は、恭一の手を自分の夜具の中に感じたが、身じろぎもしなかった。しかし、その手が自分の臂から腕、腕から手の甲へと伝わって、最後に指をぎゅっと握りしめた時に、彼は、自分のもう一方のあいている手で、しっかり恭一の手の甲をおさえた。
「次郎ちゃんの気持、僕にだってよくわかるよ。」
と恭一が顔を近づけて言った。
「僕――」
と、次郎はため息に似た声で、
「父さんや恭ちゃんは誰よりもすきなんだがなあ。」
「もしお祖母さんがいなかったら、ここのうちどう? ほかのうちより好き。」
「うん。――だけど、恭ちゃんはお祖母さんが好きなんだろう。」
「ううん、この頃はそうでもないや。」
「だって、お祖母さんは恭ちゃんを一等可愛がるんじゃないか。」
「僕だけ可愛がって、次郎ちゃんを可愛がらなきゃあ、何にもならんよ。お祖母さんのすること、僕、もうきらいになっちゃったさ。