Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
」
それだ、と門口で断らりょう、と亭主はその段含ませたそうな気の可い顔色。
「御串戯もんですぜ、泊りは木賃と極っていまさ。茣蓙と笠と草鞋が留守居。壁の破れた処から、鼠が首を長くして、私の帰るのを待っている。四五日はこの桑名へ御厄介になろうと思う。……上旅籠の湊屋で泊めてくれそうな御人品なら、御当家へ、一夜の御無心申したいね、どんなもんです、女房さん。」
「こんなでよくば、泊めますわ。」
と身軽に銚子を運んで寄る。と亭主驚いた眉を動かし、
「滅相な。」と帳場を背負って、立塞がる体に腰を掛けた。いや、この時まで、紺の鯉口に手首を縮めて、案山子のごとく立ったりける。
「はははは、お言葉には及びません、饂飩屋さんで泊めるものは、醤油の雨宿りか、鰹節の行者だろう。」
と呵々と一人で笑った。
「お師匠さん、一つお酌さしておくんなさいまし。」と女房は市松の畳の端から、薄く腰を掛込んで、土間を切って、差向いに銚子を取った。
「飛んでもない事、お忙しいに。」
「いえな、内じゃ芸妓屋さんへ出前ばかりが主ですから、ごらんの通りゆっくりじゃえな。ほんにお師匠さん佳いお声ですな。なあ、良人。