Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
沢山、あの、心配する方があるのですやろ。」
「お方、八百屋の勘定は。」
と亭主瞬きして頤を出す。女房は面白半分、見返りもしないで、
「取りに来たらお払いやすな。」
「ええ……と三百は三銭かい。」
で、算盤を空に弾く。
「女房さん。」
と呼んだ門附の声が沈んだ。
「何んです。」
「立続けにもう一つ。そして後を直ぐ、合点かね。」
「あい。合点でございますが、あんた、豪い大酒ですな。」
「せめて酒でも参らずば。」
と陽気な声を出しかけたが、つと仰向いて眦を上げた。
「あれ、また来たぜ、按摩の笛が、北の方の辻から聞える。……ヤ、そんなにまだ夜は更けまいのに、屋根越の町一つ、こう……田圃の畔かとも思う処でも吹いていら。」
と身忙しそうに片膝立てて、当所なくしながら、
「音は同じだが音が違う……女房さん、どれが、どんな顔の按摩だね。」
と聞く。……その時、白眼の座頭の首が、月に蒼ざめて覗きそうに、屋の棟を高く見た……目が鋭い。
「あれ、あんた、鹿の雌雄ではあるまいし、笛の音で按摩の容子は分りませぬもの。」
「まったくだ。」
と寂しく笑った、なみなみ注いだる茶碗の酒を、屹と見ながら、