Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
帯も襟も唐縮緬じゃあるが、もみじのように美しい。結綿のふっくりしたのに、浅葱鹿の子の絞高な手柄を掛けた。やあ、三人あると云う、妾の一人か。おおん神の、お膝許で沙汰の限りな! 宗山坊主の背中を揉んでた島田髷の影らしい。惜しや、五十鈴川の星と澄んだその目許も、鯰の鰭で濁ろう、と可哀に思う。この娘が紫の袱紗に載せて、薄茶を持って来たんです。
いや、御本山の御見識、その咽喉を聞きに来たとなると……客にまず袴を穿かせる仕向をするな、真剣勝負面白い。で、こっちも勢、懐中から羽織を出して着直したんだね。
やがて、また持出した、杯というのが、朱塗に二見ヶ浦を金蒔絵した、杯台に構えたのは凄かろう。
(まず一ツ上って、こっちへ。)
と按摩の方から、この杯の指図をする。その工合が、謹んで聞け、といった、頗る権高なものさ。どかりとそこへ構え込んだ。その容子が膝も腹もずんぐりして、胴中ほど咽喉が太い。耳の傍から眉間へ掛けて、小蛇のように筋が畝くる。眉が薄く、鼻がひしゃげて、ソレその唇の厚い事、おまけに頬骨がギシと出て、歯を噛むとガチガチと鳴りそう。左の一眼べとりと盲い、右が白眼で、ぐるりと飜った、しかも一面、念入の黒痘瘡だ。