Classici giapponesi con furigana
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うたまろざんげ
歌麿懺悔
邦枝 完二
Leggi 歌麿懺悔 (うたまろざんげ) di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.396 caratteri · 23 schermate
その屏風の向うに、芋虫のように寝てるじゃないか」
「芋虫。――うん、こいつア恐れ入った」
なるほど、お袋のいった通り、次の間の六畳の座敷に、二枚折の枕屏風にかこまれて、薩摩焼の置物をころがしたように、ずしりと体を横たえたのが、亀吉の謂う「五色墨」なのであろう。昼間飲んだ酒に肥った己が身を持て余していると見えて、真岡木綿の浴衣に、細帯をだらしなく締めたまま西瓜をならべたような乳房もあらわに、ところ狭きまで長々と寝そべっている姿が、歌麿の目に映じた。
「お近さん」
「え。――」
突然聞き馴れない男の声で呼び起されたお近は、びくッとして歌麿の顔を見つめた。
「よく内にいたの」
「お前さん、誰さ」
「ゆうべおめえに可愛がってもらった、あの亀吉の伯父だ」
「え、あの人の伯父さんだって」
「そうよ。そんなにびっくりするにゃ当らねえ。なぜおれの甥を可愛がってくれたと、物言いをつけに来た訳でもなけりゃ、遊んだ銭を返してもらいに来た訳でもねえんだ。おまえに、ちっとばかり頼みがあって、わざわざ駐春亭の料理まで持って出かけて来たくれえだからの」
「おや、何んて酔狂な人なんだろう。あたしのような者に、頼みがあるなんて。