Classici giapponesi con furigana
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しょうたい
正体
山本 周五郎
Leggi 正体 (しょうたい) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7312 caratteri · 15 schermate
彼女は本当は蕗子というのだが、顔のしゃくれた小柄の愛くるしい女で、仲間が誰云うとなくおべ子というわけの分らぬ愛称をつけ、いかにもそれが似合っているので皆に愛されている女中だった。
「なんだ、君はまだここにいたのか」
「顔を見るなり何でんね、いないでどないしましょう、あんたさんがたが来てくださるうちは何年でもおりますが」
津川は箸を執りながら冗談の云いあいをしていたが、ふと思い出して龍助の死んだことを知らせた、おべ子は眼を丸くして驚いた。
「それ、ほんまでっか」
「本当さ、だから今日来たんだ」
「まあ……夢みたいな」
おべ子の驚きには理由があった。
それというのが、彼女の話によると龍助はこの半年ばかりひどい悪遊びをしていたということだ、大阪や京都の色街でずばぬけた真似をするばかりでなく、妙な女を伴れては繁々と野村屋へも泊りにきたそうである、それが来るたびに相手が違っていて、なかに一人だけ三度ほど同じ女がいたのは、あとで妻君の佐知子だということが分ってさすがに驚かされたという。
「いくらお道楽でもあんまりでっせ」
とおべ子は云った、「ゆうべ素性の分らぬ女子と泊った部屋であなた、明る日奥さんと寝やはるなんて法がありまっかいな、ほんまに杉田はん悪にならはった思いましてん」