Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぶけわらじ
武家草鞋
山本 周五郎
Leggi 武家草鞋 (ぶけわらじ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.835 caratteri · 35 schermate
辿りついて来たのです、もしも救って頂かなかったら、あのとき倒れたまま死んだことでございましょう」
寧ろそのほうが本望だった、そう云いたげに伝三郎は話を終った。老人はかれの話が終ってからもながいこと黙っていたが、やや暫くして、しずかに、劬りのこもった調子でゆっくりと云った。
「まったく、世間というものはむずかしいものです、山へはいって死のうとまでお考えなすった、その気持もよくわかります、……わたくしなどはごらんのとおり山家の老耄人でなにも知らず、意見の申上げようもなし、ただご尤もと申すよりほかに言葉もございませんが、しかしこうしてわたくし共でお世話をするというのもなにかの御縁でございましょう、こんなところでよろしかったら暫くおからだを休めておいでなさいまし、そのうちには少しは気持もお楽になるかも知れません、考えようによっては、これでなかなか世の中も捨てたものではございませんから」
「ご老人はさようにお考えなさいますか」
「世間はひろく人はさまざまです、思うようになる事ばかりでも興がないと申すではございませんか、まあ暫くはなにもお考えなさらず、できることならゆっくりとご保養をなさいまし」