Classici giapponesi con furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Leggi 武蔵野 (わすれえぬひとびと) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.018 caratteri · 192 schermate
夜が明けるまでこの家で休息することにして、一同はその銃をおろすなど、かれこれくつろいで東の白むのを待った。その間僕は炉のそばに臥そべっていたが、人々のうちにはこの家の若いものらが酌んで出す茶椀酒をくびくびやっている者もあった。シカシ今井の叔父さんはさすがにくたぶれてか、大きな体躯を僕のそばに横たえてぐうぐう眠ってしまった。炉の火がその膩ぎった顔を赤く照らしている。
戸外がだんだんあかるくなって来た。人々はそわそわし初めた、ただ今井の叔父さんは前後不覚の体である。
僕は戸外へ飛びだした。夜見たよりも一段、蕭条たる海辺であった。家の周囲は鰯が軒の高さほどにつるして一面に乾してある。山の窪みなどには畑が作ってあってそのほかは草ばかりでただところどころに松が一本二本突ッたっている。僕はこんなところに鹿がいるだろうかと思った。
大空の色と残月の光とで今日の天気がわかる。風の清いこと寒いこと、月の光の遠いこと空の色の高いこと! 僕はきっと今日は鹿が獲れると思った。
『徳さん徳さん今井の叔父さんを起こしてくれ』とたれか家内で呼ぶから僕は帰って見ると、みんな出発に取りかかっていたが叔父さんばかり高いびきで臥ている。