Classici giapponesi con furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Leggi 武蔵野 (わすれえぬひとびと) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.018 caratteri · 192 schermate
と言って今の鳥を受け取った。僕は不思議に思ったばかりでその時は何の事だかわからなかった。
その後二月ばかり経った。その間僕は毎日のように今井の叔父さんの家に遊びに行って、叔父さんの鳥打ちにはきっとお伴をした。ある日僕のおとっさんが外から帰って来て、『今井の鉄也さんが鉄砲腹をやった』とおっしゃって、おっかさんを初め僕もびっくりした。
鉄也さんというのは今井の叔父さんの独り子で、不幸にも四、五年前から気が狂って、乱暴は働かないが全くの廃人であった。そのころ鉄也さんは二十一、二で、もし満足の人なら叔父さんのためには将来の希望であった。しかるに叔父さんもその希望が全くなくなったがために、ほとんど自棄を起こして酒も飲めば遊猟にもふける、どことなく自分までが狂気じみたふうになられた。それで僕のおとっさんを始めみんな大変に気の毒に思っていられたのである。
ところが突然鉄也さんが鉄砲腹をやって死んでしまった、廃人は廃人であるがやはり独り子に相違ない、これまでに狂気のなおるという薬はなんでも試みて、うの字峠の谷で打った岩烏も畢竟は狂気の薬であったそうである。それが今は無残の最後を遂げてもう叔父さんの望みは全く絶えてしまった。