Classici giapponesi con furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Leggi 武蔵野 (わすれえぬひとびと) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.018 caratteri · 192 schermate
『猿も小簔をほしげなりというのは今夜のような晩だな。』
『そうね』とお絹が応えしままだれも対手にせず、叔母もお常も針仕事に余念なし。家内ひっそりと、八角時計の時を刻む音ばかり外は物すごき風狂えり。
『時に吉さんはどうしてるだろう』と幸衛門が突然の大きな声に、
『わたしも今それを思っていたのよ』とお絹は針の手をやめて叔父の方を見れば叔父も心配らしいまじめな顔つき。
『叔父さんあっちは大変寒いところだというじゃアありませんか』とお常は自分の足袋の底を刺しながら言いぬ。
『なに吉さんはあの身体だもの寒にあてられるような事もあるまい』と叔母は針の目を通しながら言えり。
『イヤそうも言えない随分ひどいという事だから』と叔父のいうに随いてお絹
『大概にして帰って来なさればよいに、いくらお金ができても身体を悪くすれば何にもなりゃアしない。』
『ナニあの男の事だからいったんかせぎに出たからにはいくらかまとまった金を握るまでは帰るまい、堅い珍しい男だからどうか死なしたくないものだ。』
『ほんとにね』とお絹は口の中、叔母は大きな声で
『大丈夫、それにあの人は大酒を飲むの何のと乱暴はしないし』