Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Leggi 武蔵野 (わすれえぬひとびと) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.018 caratteri · 192 schermate
二郎やむを得ず宝丹取りだして、われに渡しければわれ直ちに薬を掬いて貴嬢が前に差しいだしぬ、この時貴嬢が眼うるみてわが顔を打ち守りたまいたる、ああ刻き君かなとのたまいしようにわれは覚えぬ。
たやすく貴嬢が掌いだしたまわぬを見てかの君、早く受けたまわずやと諭すように物言いたもうは貴嬢が親しき親族の君にてもおわすかと二郎かの時は思いしなるべし、ただわれ、宇都宮時雄の君とはこの人のことよと一目にて看破りたれば、貴嬢に向かってかかる物の言いざましたもうを少しも怪しまざりき。貴嬢が掌に宝丹移せし時、貴嬢は再びわが顔を打ち守りたまいぬ、うるみたる貴嬢の目の中には、むしろ一匙の毒薬たまえ刻き君とのたもう心鮮やかに読まれぬ。二郎はかの方に顔を負け、何も知りたまわぬかの君は、ただ一口に飲みたまえと命ずるように言いたもう、そのさまは、何をかの君かく誇りたもうぞと問わまほしゅうわが思いしほどなりき。貴嬢が眼を閉じて掌を口に当て、わずかに仰ぎたまいし宝丹はげに魂に沁み髄に透りて毒薬の力よりも深く貴嬢の命を刺しつらん。されどかの君は大口開きて笑いたまい、宝丹飲むがさまでつらきかと宣いつつわれらを見てまた大口に笑いたもう。