Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しのよこく

死の予告

野村 胡堂

Leggi 死の予告 (しのよこく) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.149 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

夕刻まで、先ず何事も起りません。伯爵は徹頭徹尾私達と一緒で、一日の大半は階下の大客間で暮らしてしまいました。

「お風呂をお召し遊ばせ」

と女中が来たのは四時頃、一応私と「足の勇」に勧めましたが、たって辞退すると、

「それでは御免蒙ろう」

伯爵は鷹揚に起って風呂場の方へ行ってしまいました。

後に残ったのは、私と「足の勇」と瑛子だけ、暫らく話に夢中になって居ると、急に、実に急に、風呂場の方から唯ならぬ絶叫が聞えます。

ハッと驚いて飛んで行くと、お勝手の真後ろにある風呂場はもう人間一パイ。

「早く電話を、先生へだ、博士へ」

「もういけない」

「兎も角お身体を外へ」

大変な騒をやって居ります。

私と「足の勇」は、ハット顔を見合せました。一日見張って居た甲斐もなく、ほんの少しばかりの油断で、伯爵がやられたのでは無いかと思ったのですが、人をかき分けて中の様子を見ると、風呂の中で卒倒したのは、伯爵ではなくて、あの身体の弱いのを自慢のようにして居る、養子の敬太郎だったのです。

「どうした、何? 敬太郎が――」

二階の大きい書斎の方から降りて来た伯爵は、此場の様子にサッと顔色を変えました。