Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しのぜんご
死の前後
豊島 与志雄
Leggi 死の前後 (しのぜんご) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.273 caratteri · 35 schermate
あなたにあげると云っていましたけれど、こんなことになりましたので、お葬いの費用やなんか、それから致したいと思っていますの……。」
「なに、そんなことはどうでもいいんですが、そうしたものがあったということを、あなたが知ってさえおれば、それでいいんです。本人がたいへん気にしていたようですから……。」
「よく存じております。」
それだけで話はすんだ。彼女は涙ひとつ浮べず、頬の筋肉を硬ばらして、心の扉をかたく閉め切ってるようだった。それにあまり長く対座してもいられなかった。いろいろ用があった。
おしげの棺が、その夕方、本所の方へ運ばれていく時、若い女中はすすり泣いていた。十歳をかしらの子供たちは、慴えたような不思議な様子で、寄り添って棺を見送った。
それから一週間ばかりたって、蔦子がふいに訪れてきた。其後、島村は一度さる料亭で彼女に逢った。なお、一ヶ月ほど後に、蔦子と深い仲になっていた坪井宏の訪問を受け、次いで上海から可なり詳しい手紙を貰った。そして彼等のことが島村にも大体分ったのだったが、真相がはっきり掴めたのは、それよりもずっと後になってからのことだった。