Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

Leggi 死までを語る (しまでをかたる) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.739 caratteri · 85 schermate

Aozora Bunko

この判断は、自分でよくわからない)。その、いい所は何処であったであろうか、という話であるが――早大グラウンド裏へ移転して、四円八十銭の家に住んだ時、裏手の家(四軒長屋)の妻君が、裏口へ挨拶しにきて

「同国人が入らしたので、大変心強くおもいますわ」

と、云った。私の女は、腹をかかえて、飛んで上ってきて

「貴下、支那人やわ」

と、笑いこけた。

「何が支那人だ」

「裏手は支那人やろう。奥さんは、日本人やけど」

「うん」

「その奥さんが、同国人が来たので」

僕は、苦笑しながら、さては、支那人のように、のんびりしている所があるのかな、と思って

「似た所があるかい」

と、聞くと

「そう聞くと、そうかも知れん」

と、私の顔を正面から見たが、私は

(何言ってやがる、ちゃんちゃん嬶め)

と、思って対手にしなかった。所が、これは後日であるが、家賃も払えなくなって、間借りした時、若松町の湯屋へよく行った。

電車通り、大久保の方へ曲ろうとする所の右側の銭湯である。一日、人の居ない昼間――失業者には、風呂に限ると、ゆっくり、天井を眺めていると、三助が出てきて

「お国は、この頃、埃で大変でしょうな」