Classici giapponesi con furigana
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しいんのぎもん
死因の疑問
豊島 与志雄
Leggi 死因の疑問 (しいんのぎもん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.260 caratteri · 27 schermate
その子供たちの一群が、奇怪なものに魅せられたように、棒立ちになってしまったのである。斜面の下に吹き寄せられてる雪は、もうだいぶ融けて、じくじくと水づき、稀薄になっていたが、その中に、薄青い布地が拡がっている。布地はオーバーのようで、それが人間の恰好をしている。よく見ると、その人間の恰好には、黒い髪の毛がついており、反対の片端に、ゴム靴の足先がにゅっと突き出ている。
わっと、誰からともなく彼等は声を立て、あわてて逃げ出し、近所のひとに異変を知らせた。
それから大騒ぎとなった。雪の中から取り出されたのは、二十才前後の女の死体で、普通のスーツにオーバーをまとい、ゴムの半靴をはいていた。髪は毛先だけパーマをかけ、顔立は可憐な丸みを持っていた。警察に連絡がつき、検屍の医者が来る少し前に、死人は、そこから程遠からぬ三上さんの家の奥働きの女中、田代清子と判明した。
死体の様子には、取り乱したところは少しもなかった。他殺とも考えられず、自殺とも考えられなかった。念のために死体解剖が行われたが、外傷も内傷もなく、毒物も検出されず、処女であることまで立証された。凍死と見る外はなく、死期はだいたい吹雪の時の夜半過ぎと推定された。