Classici giapponesi con furigana
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しかばねをくうおとこ
死屍を食う男
葉山 嘉樹
Leggi 死屍を食う男 (しかばねをくうおとこ) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7482 caratteri · 16 schermate
キー、キー、バリッ、と釘の抜ける音がした。鍬で、棺の蓋をこじ開けたらしかった。
深谷の姿は、穴の中にかがみ込んで見えなかった。
が、鋸が、確かに骨を引いている響きが、何一つ物音のない、かすかな息の響きさえ聞こえそうな寂寥を、鈍くつんざいていた。
安岡は、耳だけになっていた。
プツッ! と、鋸の刃が何か柔らかいものにぶっつかる音がした。腐屍の臭いが、安岡の鼻を鋭く衝いた。
生け垣の外から、腹這いになって目を凝らしている安岡の前に、おもむろに深谷が背を伸ばした。
彼は屍骸の腕を持っていた。そして周りを見回した。ちょうど犬がするように少し顎を持ち上げて、高鼻を嗅いだ。
名状しがたい表情が彼の顔を横切った。とまるで、恋人の腕にキッスでもするように、屍の腕へ口を持って行った。
彼は、うまそうにそれを食い始めた。
もし安岡が立っているか、うずくまっているかしたら彼は倒れたに違いなかった。が、幸いにして彼は腹這っていたから、それ以上に倒れることはなかった。
が、彼は叫ぶまいとして、いきなり地面に口を押しつけた。土にはまるでそれが腐屍ででもあるように、臭気があるように感じた。