Classici giapponesi con furigana
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ししゃのしょ
死者の書
折口 信夫
Leggi 死者の書 (ししゃのしょ) di 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.340 caratteri · 126 schermate
都の姫の事は、子古の口から聴いて知ったし、又、京・難波の間を往来する頻繁な公私の使いに、文をことづてる事は易かったけれども、どう処置してよいか、途方に昏れた。ちょっと見は何でもない事の様で、実は重大な、家の大事である。其だけに、常の優柔不断な心癖は、益々つのるばかりであった。
寺々の知音に寄せて、当麻寺へ、よい様に命じてくれる様に、と書いてもやった。又処置方について伺うた横佩墻内の家の長老・刀自たちへは、ひたすら、汝等の主の郎女を護って居れ、と言うような、抽象風なことを、答えて来たりした。
次の消息には、何かと具体した仰せつけがあるだろう、と待って居る間に、日が立ち、月が過ぎて行くばかりである。其間にも、姫の失われたと見える魂が、お身に戻るか、其だけの望みで、人々は、山村に止って居た。物思いに、屈託ばかりもして居ぬ若人たちは、もう池のほとりにおり立って、伸びた蓮の茎を切り集め出した。其を見て居た寺の婢女が、其はまだ若い、もう半月もおかねばと言って、寺領の一部に、蓮根を取る為に作ってあった蓮田へ、案内しよう、と言い出した。あて人の家自身が、それぞれ、農村の大家であった。