Classici giapponesi con furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Leggi 母子叙情 (ぼしじょじょう) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 77.355 caratteri · 153 schermate
規矩男はいくらか又不敵な笑い方をしたが、一層顔を赫らめて、
「ですから自分では、学校なんか三十歳までに出れば好いと思ってるんですが、母や織田達がいろいろ云うんで、或いは今年の秋か来年からまた始め出そうとも思っているんです」
母と一緒に逢って呉れと規矩男は手紙に書いたこともあったが、その後また一ヶ月ばかりの間に三四回もかの女と連れ立って、武蔵野を案内がてら散歩し乍ら、たびたび自分の家の近くを行き過ぎるのに、規矩男は自分の家へまだ一度もかの女を連れて行かず、母にも逢せなかった。かの女は規矩男に何か考えがあるのだろうし、かの女も別だん急に規矩男の母に逢い度いとも思わなかったが、ある時何気なく云ってみた。
「あなたいつかの手紙で私にお母さんを逢せるなんて云ってね」
規矩男は少し困って赫くなった。
「あなたが逢って呉れないものですから、僕のような生意気な人間でも、あんな通俗的な手法を使わなくっちゃならなくなったんですね」
「ははあ」
「嫌だ。今ごろあんなことでからかっちゃ。だけれどあなただって、婦人雑誌なんかで、よく、どうしてあなたはあなたのお子さんを教育なさいましたか、なんて問題に答えていらっしゃるじゃありませんか。