Classici giapponesi con furigana
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どくガスはつめいかん
毒瓦斯発明官
海野 十三
Leggi 毒瓦斯発明官 (どくガスはつめいかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 9511 caratteri · 20 schermate
どこかどうかしていられるのです。糖分が出ているとか、熱があるとかでしょう。私には、十分うまいですよ。やっぱりイギリス製のウィスキーだけありますねえ。これは英帝国盛んなりし時代の生一本ですよ。間違いなしです」
「相当にうるさいね、君は」
「いや、酔払ったんです。これもこの酒の芳醇なる故です。そこで先生、酒の実験はこのくらいにして、お約束ですから、かねがねお願いしてありました毒瓦斯研究の指導を早速お始めいただきたいのですが……」
「ふん、毒瓦斯研究の件か」
博士は何となく不機嫌に、盃をがちゃんと台の上に置いて、
「では醤との契約に基き、正しく履行するであろう。神経瓦斯について講義をする」
「あ、その神経瓦斯というものなら、既にドイツ軍がエベンエマエル要塞戦に使ったということを聞いています。それはもう陳腐な毒瓦斯で……」
「ドイツ軍が使ったという話のある神経瓦斯は、一時性の神経麻痺瓦斯だ。それを嗅いだベルギー兵は、恍惚となって、しばらく何も彼もわからなくなった。もちろん、機関銃の引金を引くことも忘れて、とろんとしておった。気がついたときには、傍にドイツ兵がいたというのだ。