Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もうりせんせい

毛利先生

芥川 竜之介

Leggi 毛利先生 (もうりせんせい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.383 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

」

豪傑はミットをはめた手で頭を掻きながら、意気地なくひっこんでしまった。が、今度は自分の級の英語の秀才が、度の強い近眼鏡をかけ直すと、年に似合わずませた調子で、

「でも先生、僕たちは大抵専門学校の入学試験を受ける心算なんですから、出来る上にも出来る先生に教えて頂きたいと思っているんです。」と、抗弁した。が、丹波先生は不相変勇壮に笑いながら、

「何、たった一学期やそこいら、誰に教わったって同じ事さ。」

「じゃ毛利先生は一学期だけしか御教えにならないんですか。」

この質問には丹波先生も、いささか急所をつかれた感があったらしい。世故に長けた先生はそれにはわざと答えずに、運動帽を脱ぎながら、五分刈の頭の埃を勢よく払い落すと、急に自分たち一同を見渡して、

「そりゃ毛利先生は、随分古い人だから、我々とは少し違っているさ。今朝も僕が電車へ乗ったら、先生は一番まん中にかけていたっけが、乗換えの近所になると、『車掌、車掌』って声をかけるんだ。僕は可笑しくって、弱ったがね。とにかく一風変った人には違いないさ。」と、巧に話頭を一転させてしまった。が、毛利先生のそう云う方面に関してなら、何も丹波先生を待たなくとも、自分たちの眼を駭かせた事は、あり余るほど沢山ある。