Classici giapponesi con furigana
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きまぐれのにんぎょうし
気まぐれの人形師
小川 未明
Leggi 気まぐれの人形師 (きまぐれのにんぎょうし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4963 caratteri · 10 schermate
港の景色にも、丘のながめにも変わりはありませんでした。いろいろの小鳥は、林の中にないていましたし、オレンジの実は、やはり黄色に熟していました。
娘は、ある日、その町の中を歩いていました。いつかの人形屋にゆこうと思っていました。晩方の夢のようにかすんだ空の下を、紫色の光のさす店を探しながら見覚えのある路次に入ってゆきました。
「ああ、あの名人のおじいさんは亡くなりましたよ。気まぐれ者で、自分の造った人形にさえ、好ききらいをつけた人ですが……もうあの店はありません。いまでは、あの人の造ったものなら、どんな壊れた人形でも大騒ぎをして、旅の人などは集めてゆきます。」と、町の人は、娘がおじいさんの店を問うたときにいいました。
彼女は、はじめて、あの人形が、そんなにいいのであるかということを知りました。娘はこのことをお父さんに告げると、お父さんも、驚いた顔をしました。そして、彼女は、自分の家に帰ったとき、二つの人形を同じ箱の中に入れて、大事に飾ることにいたしました。このときから、長い間不しあわせであった人形は、もう一つのしあわせ人形と同じように、しあわせになったのであります。