Classici giapponesi con furigana
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みずのしたのいし
水の下の石
山本 周五郎
Leggi 水の下の石 (みずのしたのいし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.791 caratteri · 28 schermate
泥濘の道へ膝をおろす間もなく、前方の闇をつんざいて閃光がはしり、だだーん、だだーんと、銃声がとどろきあがった、距離は思いのほかに近く、叢林をつらぬいてしきりに弾丸が飛んだ、位置がわからないとみえてめくら射ちだったが、隊列の中へもかなり流弾が来て三人ばかり軽傷を負った者がある。「……畜生、斬り込んで呉れるぞ」杉原伝一郎のくやしそうな呟きが聞えた。伝一郎は安倍大七とおなじ十人がしらで、先鋒槍組を指揮させては鳥居家でも指折りの者だった、幾たびも番がしらに抜かれようとしたが、――自分は十人がしらが適任だから。そういってもう、五年も栄えない位置で闘っている。かれの呟きがいかにもくやしそうだったので、まわりでくすくす笑う者があった、敵の銃射は間もなく止んだ、こちらが応射をしないし動くけはいもないので気をゆるしたものか、それともこのあたりは富士の裾野につづいていて猪や鹿などが多いからそれと思い違えたか、いずれにしても味方にはひじょうな幸運で、あたりは再び深夜の闃とした静寂にかえった。それでもなお暫く伏せていたが、やがて後退しろという命令が出た、「その位置のまま廻れ、しずかに……」