Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みずとりてい

水鳥亭

坂口 安吾

Leggi 水鳥亭 (みずとりてい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.705 caratteri · 62 schermate

Aozora Bunko

低脳の証拠を毎日眺めて平気でいられるのがフシギですよ。どこまで低脳だか、分りゃしない。私や克子がともかく生きていられたのは、大伯母さまのおかげです。さもなければ、本のために母子心中していますとも」

信子の偽らぬ気持であった。克子にはきき古りた愚痴である。これをきかされるために生れてきたかのように、ウンザリさせられてもいる。信子の語気は激しかったが、克子の耳には陳腐なクリゴトで、なんの興もそそられなかった。

「お父さんは、どこへ疎開するの」

克子がきいた。

皮肉な思いは含まれていない。同じところへ父が疎開するはずのないこと、そして、それが当然であることを信じているだけの話であった。父の行先に、ちょッと興味があるだけである。

「疎開する所があるものですか」

信子の攻撃がつづく。

亮作はちょッと首をすくめて、困惑した薄笑いをうかべた。

「どこへ行く必要もないがね。そろそろ皇軍の総反撃のはじまるころだ。今ごろ、はじまっているかも知れん。敵さんの物力で半永久的な飛行場をつくらせてから、とりかえす。すこし手がかかるが、物量を節約するには、こんなこともせにゃならん。