Classici giapponesi con furigana
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みずとりてい
水鳥亭
Leggi 水鳥亭 (みずとりてい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.705 caratteri · 62 schermate
「百円は高い」
「ほんとですか。桶もテンビンも、噴霧器まで揃ってますぜ。どこを探しても農具や大工道具は売ってませんよ。そして、現在これ以上の貴重品はありません。有り過ぎて困る物ではありませんから、持ってこうかと思ったのですが、こちらに何もなくては、せっかく田畑があっても耕作にさしつかえますから、お譲りしようと思ったのです。高いと仰有れば、重いけれども持ってきましょう」
「それは畑に附属したものです」
「それじゃア家具は家に附属したものですか」
「いえ、それは屋外で使う品物だから」
「アハハ」
「いえ、買いますよ」
渋々包みから百円札をだした。
野口一家は去ってしまった。
野口がこの別荘をつくった時から、女中部屋に風変りな留守番が住んでいた。このへんの人は「金時」とよんでいたが、まだ二十四の女であった。顔もからだもまるまるふとって、怪力があった。
金時は田畑を耕すことは知っていたが、料理はできなかった。金時に料理をつくらせると、鍋に熱湯をたぎらせて調味料をぶちこみ、飯でも野菜でもなんでもかまわず投げこんで、シャモジでかきまわすだけである。ほかの食物をつくらなかった。