Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えがわらんこ

江川蘭子

江戸川 乱歩

Leggi 江川蘭子 (えがわらんこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.151 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

部屋中がグルグル廻転し、耳のそばで馬鹿囃がチャンチャン囃し立てている中で、何かうるさく、彼女の頸に纏いつくものがあった。それが脂肪の塊りみたいな、毛むくじゃらの腕であることを悟ると、ラン子は耐え難い好奇心をそそられた。兼て恐れていたもの、併し同時に待ち望んでいたものが、とうとう訪れたのだ。しかもその相手が世にも醜悪なる豚老人であったことが、一層彼女を喜ばせた。こっそり人目を忍んだ、醜悪な、ドロドロした、いかもの食いの快味。

「お爺さん、あたし、嬉しくなっちゃったわ」

ラン子はパトロン老人に凭れかかって、うしろから手を廻して、ハゲ頭をピシャピシャ叩きながら、溶ける様な笑顔を見せた。

猥褻なる豚は、昂奮の余り、真青になった顔を、妙にこわばらせて、黙ったまま、ヌルヌルした唇で、彼女を圧迫した。

やがてラン子は、彼女の歯と歯の間に厚ぼったい唇を感じた。その気味悪さが、身震いの出る快感であった。彼女は悪寒の為に思わず歯ぎしりをした。

「ギャッ」という悲鳴に驚いて飛びのくと、茶色の豚は唇からタラタラ血を流して、笑っていた。

「踊りましょうか。お爺さん歌って下さらない」