Classici giapponesi con furigana
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えがわらんこ
江川蘭子
江戸川 乱歩
Leggi 江川蘭子 (えがわらんこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.151 caratteri · 23 schermate
蘭子の父は、後暗い商売柄、借手のない七階を選んで住んでいたので、その七階は彼等一家丈けで、あとは皆空部屋になっていたのだ。それが、犯人を安心させ、又犯罪の発見をおくらせた訳でもある。
人々は若い美しい男女の死体と、血まみれになって、殊に口のまわりは、まるで化け猫みたいな物凄さで、じだんだ踏んで泣き叫んでいる小怪物と、部屋中に、壁と云わず床と云わず、点々として印された、可愛らしい血の手型を見た。
みなし児は、丁度子供を欲しがっていたそのアパートの支配人老夫婦が、引取って養女とした。
犯人は遂に発見されずに終った。故人の友達などの言葉から、人々の想像した所によると、蘭子の父はその美しい妻を囮にして、ちょくちょく美人局を働いていたというから、今度の犯人も恐らく蘭子の母親の甘い空言に酔わされた一人であろう。それが余り真剣に恋をしたものだから、美人局と分ってもあきらめられず、遂に恋人と、恋人の夫とを殺す気になったのかも知れないと云うことであった。
この殺人事件では、被害者に同情がなかったので、世間の騒ぎもさして大きくならず、いつまでも犯人が発見されずとも誰も警察の無能を罵るものはなかった。