Classici giapponesi con furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Leggi 江戸情話集 (かごつるべ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.779 caratteri · 407 schermate
彼はお絹があまりに執念ぶかいので憎くなった。罪もないお里をそれほどに苦しめようとするお絹の妬み深い心には、どう考えても同情することが出来なくなった。一種の意地と、一種の江戸っ子かたぎとが彼をあおって、彼は弱いお里をあくまでも庇ってやらなければならない、それが男の役目であるというようにも考えはじめた。
先月までの林之助はともあれ、今の彼はお絹に対してあまり立派な口をきけた義理でもないのであるが、彼はもうそんなことを考えている余裕がなかった。お此を蛇責めにして、さらにお里を蛇責めにしようとするお絹の残酷な復讐手段に対して、彼の胸には強い反抗心が渦巻いて起った。彼はいっそお絹を殺してしまいたいほどに腹が立った。
また一方から考えても、自分はもうお里を振り捨てることの出来ない破目になって来た。今朝まではなんとかして、お里に詫びて、いっそ綺麗に手を切ろうかとも考えていたのであるが、そのお里の母は死んで、彼女はかねて口癖のように果敢なんでいる悲しい頼りない身の上にいよいよ沈んでしまった。それを今さら無慈悲に突き放すことが出来るだろうか、お里が素直に承知するだろうか。