Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きしゃははしる

汽車は走る

小川 未明

Leggi 汽車は走る (きしゃははしる) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3849 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

そのうちに、チャリンという音がしました。弟のほうが、手に握っていた銭を落としたとみえて、あわてて、あたりをさがしはじめました。それに気づかない姉は、一人で、先の方へ走っていたが、後方で、弟の泣き声がすると、驚いて、振り向き、すぐにもどっていって、自分もいっしょになって、落とした銭をさがしたのでありました。けれど、ころがった銭は、どこへいったか、見えぬようなようすでした。

いままでの、二人のうれしそうな姿が、たちまち悲しみの姿に変わってしまった。

「だから、しっかり握っていればいいのに。」

「しっかり持っていたんだよ。」

「そんなら落としっこないでしょう。」

ちょうど、かよ子は、そこへ通りかかったのでした。

「とみ子ちゃん、どうしたの。」

「清ちゃんがね、風船球を買うおあし落としてしまったの。」

「まあ。」

かよ子は、いっしょになって、銭をさがしてやりました。田の縁になった道の端に、紫色のすみれの花が咲きかけていた。その葉の蔭に、五銭の白銅が鈍い光を放っているのでした。

二人の子供は、また町の方へ向かって駈けていきました。

「東京って、どんなところかしらん。」