Classici giapponesi con furigana
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かはくれいじょう
河伯令嬢
泉 鏡花
Leggi 河伯令嬢 (かはくれいじょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.763 caratteri · 68 schermate
(まあ。)
娘は熟と顔を見ました。
(私も死にたいの。)
竜巻のために、港を出る汽船に故障が出来た。――(前刻友だちと浜へ出て見た、そういえば、沖合一里ばかりの処に、黒い波に泡沫を立てて、鮫が腹を赤く出していた、小さな汽船がそれなんです。)――日暮方の出帆が出来なくなった。雑用宿の費に、不機嫌な旦那に、按摩をさせられたり、煽がせられたり。濁った生簀の、茶色の蚊帳で揉まれて寝たが、もう一度、うまれた家の影が見たさに、忍んでここまで来たのだ、と言います。
弥生の頃は、金石街道のこの判官石の処から、ここばかりから、ほとんど仙境のように、桃色の雲、一刷け、桜のたなびくのが見えると、土地で言います。――町のその山の手が、娘のうまれた場所なのです。
(私は、うちにお父さんと、お爺さんが。)
(僕は祖母さん一人……)
(死んで、あの、幽霊になって、お手つだいした方が、……ええ、その方がましだと思ってよ。)
(ほんとうです。死んだ方が可い。)
娘は、紅麻の肌襦袢の袖なしで、ほんの手拭で包んだ容子に、雪のような胸をふっくりさして、浴衣の肌を脱いで、袖を緋の扱帯に挟んでいました。