Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かわあかり
河明り
岡本 かの子
Leggi 河明り (かわあかり) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.244 caratteri · 98 schermate
「結局あの娘の持ち前の性格をくたくたに突き崩して、匂いのないただ美しい造花のようにしてしまったのは、僕の無言の折檻にあるのでしょう。それとも女というものは、絆のある男なら誰に対しても遂にそうなる運命の生物なのでしょうか」
青年の木下は、それを憐みながら、いよいよ愛する娘を持て剰した。
「けれども、海は、殊に、南洋の海は……」と木下は言葉を継いだ。「海は、南洋の海は……」現実を夢にし、夢を現実にして呉れる、神変不思議の力を持っている。むかし印度の哲学詩人たちが、ここには竜宮というものがあって、陸上で生命が屈托するときに、しばらく生命はここに匿れて時期を待つのだといった思想などは、南の海洋に朝夕を送ってみたものでなければ、よく判らないのである。ここへ来ると、生命の外殻の観念的なものが取れて、浪漫性の美と匂いをつけ、人間の嗜味に好もしい姿となって、再び立ち上って来るとかいうのである。
「あなたは東洋の哲学をおやりだという話を、あれの手紙で知りましたが、それなら既にお気付きでしょう。およそ大乗と名付けられる、つまり人間性を積極的に是認した仏教経典等には、かなりその竜宮に匿れていたのを取出して来たという伝説が附ものになっていましょう。