Classici giapponesi con furigana
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かわみずのはなし
河水の話
小川 未明
Leggi 河水の話 (かわみずのはなし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3668 caratteri · 8 schermate
どうかして、すこし体を休めたいと思っていましたが、一日として、その暇がありませんので、はやく、按摩の手からのがれて、どこかへ身を隠して、ぐっすりと眠りたいと思いました。けれど、按摩は、私がなくっては、ちっとも歩けませんので、どこへいくにも私をつれていきました。私の体は、日夜の過労のために、だんだんやせていきました。私は逃げ出す機会を、待っていました。ところが、今日、ちょうど橋の上で、按摩のげたの鼻緒がゆるみました。按摩は、橋の欄干に私の体をもたせかけて、げたの鼻緒をしめていました。私は、このときと思って、するすると欄干から下へ、ぬけ落ちたのであります……。」と、物語りました。
この話を、河水は、黙って、聞いていました。そばで、バナナの皮も、聞いていたのです。
「おまえさんは、水の上へ落ちるということがわからなかったか? 俺たちはこれから、どこへいくかわからないのだ。」と、河水はいいました。
バナナは、いま、うす暗いところを通ったが、あすこは、橋のかかっている下であったのかと思いかえしました。
「私は、どこへ落ちても、按摩に、休みなく使われている境遇よりは、ましだと思いました。