Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほうえつクラブ

法悦クラブ

野村 胡堂

Leggi 法悦クラブ (ほうえつクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.176 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

法悦倶楽部も恐らく、そんな出来星宗教の一つで、人目の多い東京の中心を避け、わざわざ斯んなところに人寄せをするのだろうと、村の有識者達は、淡い軽侮の眼を以って見て居りました。

ところが何うして、これはそんな生優しいものでは無く、最も現世的で、最も愚劣で、最も刺戟的で、最も悪魔的な意図と欲求を持った者の、隠れ遊びの場所に過ぎなかったことは、クラブの壊滅と共に、東京中の新聞に伝えられる日が来ました。

それは兎も角として、邪まな官能の欲求に溺れて、罪悪の上に罪悪を重ねて行ったこの「法悦倶楽部」が、最後の日のポンペイのように、脆くも天火に焼き尽された、その日の凄まじい断末魔を、此処にお話しようと思うのです。

この看板に掲げた「法悦」は、英語の ECSTASY の翻訳で、決して有難い経文を聴聞して、心の悦びにひたる意味ではなく、反対に、どうすれば人間は無我夢中になり、有頂天になり、官能の喜びにひたって、恍惚境に入ることが出来るか、それを研究し実行する、世にも邪悪な企てを持った人達の「悪の道場」に過ぎなかったのです。

会長は茶谷金弥、四十年輩の脂切った身体と、皮肉な微笑と、聡明らしい眼を持った男で、社会的地位はわかりませんが、余っ程金を持って居るらしく、此別荘を「法悦倶楽部」